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Start-uppers Interview Vol.6: 「“キャリアの仮説検証”でたどり着いたスタートアップという道」 ~ “経験”から学び、納得して選ぶ姿勢が育む自分だけのキャリア形成 ~
目次
はじめに:“Start-uppers Interview”とは?
“Start-uppers Interview”は、「スタートアップに興味はあるけれど、働き方やスタンスが自分に合っているのか不安だ」という方に、スタートアップで働く魅力や、より具体的なイメージをお届けする連載企画です。
今回は、様々な事業会社・コンサルティングファームを経て、現在はアディクシィ株式会社(略称 ADiXi)で経営企画本部長を務める大島さんにお話を伺いました。様々なキャリアのご経験を積まれ、現在はスタートアップという新たな舞台に辿り着いた経緯を伺うと、経験から学び、常に自分にとって良い選択は何かと考え続けてきたキャリアの選び方・考え方が明らかになってきました。キャリアを深掘るヒントを多数お届けしてまいります。是非ご覧ください!
<アディクシィ株式会社 (ADiXi) 会社概要>
ADiXiは「テクノロジー × ヒトの共創で、可能性を解き放つ」というミッションのもと、AIなどの最新技術を活用して企業の持続的な成長を支援する、テクノロジスト(テクノロジーのプロフェッショナル)集団です。私たちは、企業の皆さまと伴走しながら、ビジネスの進化と持続可能な社会の両立を実現し、変わり続けながらも、末永く必要とされ愛され続ける企業を目指しています。
<採用ページ>
https://adixi.co.jp/recruit/
<採用チーム記事(note)>
https://note.com/adixi
<登場人物>
インタビュイー:大島 尚(おおしま・ひさし)氏
アディクシィ株式会社 経営企画本部長
早稲田大学商学部卒業後、日系大手の大手通信インフラ系会社を経て、外資系コンサルティングファームに入社。同社ではファイナンスマネジメント、ITインフラアウトソーシング案件のソリューション設計に従事。その後、日系コンサルティングファームにて経営企画を経験後、AIコンサルティングファームにてAIコンサルティング事業のシニアマネージャーとして、エンタープライズ企業向けのAIコンサルティング事業の立ち上げに貢献。
インタビュアー:若林正晃(ジャフコグループ株式会社)
プロローグ:経験の“貯金”を作るために歩んだ20代キャリア
若林:本日はよろしくお願いします!まずは、大島さんのご経歴から伺いたいのですが、よろしいでしょうか?
大島:勿論です。よろしくお願いします!私は新卒で日系大手の大手通信インフラ系会社に入社し、1年半ほど働いた後、コンサルティングファームに転職し、ミドルオフィス部門でITプロジェクトの予実管理・内部統制などを行う仕事をしていました。その後、自分でプロジェクトを企画立案したいと考えてセールス部門に移り、最終的にマネージャーになるまで計8年ほど働いていました。その後、日系コンサルティング会社の経営企画部門や人材会社のデジタル部門での新規事業部門を経て、AIコンサルティングのベンチャー企業に入りました。そこから1年で、現在のADiXiにジョインした、という流れになります。
若林:非常に幅広いご経験をされてきたのですね。そして、徐々にスタートアップにたどり着いたのだと理解しました。特に、1社目から2社目への転職は、大転換のように聞こえたのですが、どういった心境の変化だったんでしょうか?
大島:1社目は、日本を代表する“大企業”であることは間違いなく、社会インフラを支える事業としての仕組みが非常に洗練されていました。一方、個人のキャリアという視点から言えば、仕事を通じて自分が会社の業績に関与している感覚や、自分自身が成長していく感覚が思ったよりも得られず、「自分には合っていないかもしれない」と感じたことが転職のきっかけでしたね。
そこで、転職先は真逆の環境を探しました。成長環境で、自分が手掛けた仕事が直接お客様に届くような場所ですね。忙しいとは理解しつつ、20代は人生の土台ですから、“キャリアの貯金(経験への投資)”をしなければ、という危機感もあり、外資系コンサルティングファームに入ることにしました。
若林: 確かに、完全に真逆のキャリアですね。お話を聞いてご決断に納得できました。2社目は比較的長く在籍されたと思うのですが、ご自身にとって相性が良かったのですか?
大島: はい、相性は良かったと思います。ただ、実は1社目を辞めると決めた時に「1年半で辞めた」のは、正しかったかどうか自分でもわからない、と思っていたんですね。そこで、次の会社はなるべく長く働きたいという目標がありました。「石の上にも3年」とよく言いますが、3年という期間を経験することで、1年半で見た景色と比べて何か見える景色が変わるのかを検証したいと思っていましたね。
若林: なるほど、キャリアにおける仮説検証をされたんですね。その結果はいかがでしたか?
大島: 2社目の1つ目の部署で3年半ほどやってみた結果、1年半経って感じたことと、3年経って感じたことは、あんまり変わらないと感じました。感覚としては「20~30年という短い期間ではあるが、ある程度自分の中で自分に合うか合わないかの感覚は培われているので、1年半での判断でもそんなに外さないのかもしれない」と思いましたね。時間が短くても、自分の判断に自信が持てるきっかけになったと思います。

「事業づくり」を追い求める中でたどり着いたスタートアップという選択肢
若林: コンサルで長く活躍された後、複数の会社を経て、なぜスタートアップであるADiXiにジョインされたのでしょうか?
大島: 前職在籍時に、CFOでファウンダーの溝部から誘いをもらったんです。コンサル時代の友人なのですが、自分でその事業に携わり、グロースや上場に主体的に取り組めるのが面白そうと思い、ジョインしました。
思えば、徐々に事業づくりに少しずつ転身していったように思います。コンサルでマネージャーになってから、自分の中で「ずっとコンサル会社にいる将来がイメージできない」と感じ、同じコンサル系の会社ではありますが上場会社の経営企画・経営管理部門に入る形で、まずは脱コンサルを経験し。次の人材会社では、デジタル推進部の立ち上げ期に参画しました。そこからAIベンチャーに入るといった形で、徐々に組織の立ち上げ、そしてスタートアップに移っていったんです。
若林: より事業や会社づくりに密接に関わるキャリアに徐々に移ってこられたのですね。ご自身のキャリアとしても、「スタートアップ」を選んだのは良かったですか?
大島: はい、良かったと思います。市場価値を上げる意味でも、整備されたフレームワークの中で何かするだけではなく、何かを構築していく部分に関われたことで自分のキャリアの幅も出てきたと思います。
いくつかのキャリア選択をする中で「何かを作ること」や「立ち上げること」の経験が薄いと感じていたので、この部分を伸ばすことができればキャリアをポートフォリオで考えた時に強くなると考えたんです。
若林: 経験を交えながら、ロジカルに考えてキャリアを選んでこられたんですね。これまでに様々なチャレンジをされてきたと思いますが、不安はありませんでしたか?
大島: 不安はもちろんありましたが、コンサルティングファームで法務・IT・プロジェクトマネジメント/デリバリー・セールス・ファイナンスといった幅広い分野に広く関わってきた経験が大きかったと思っています。初めてのトピックや未知の環境でも「ある程度自分は対応できる」「上手くこなせる」という感覚と術が身についたと感じます。
若林: ご自身のご経験が自信を裏打ちしているんですね。お話を伺っていると、仮説検証をしながらキャリアの厚みを増していく精緻な動きがある一方、「なんとかなるさ」という思い切ったお考えもあるように聞こえます。
大島: はい、20代の時にある程度自分の中で基礎を築いて色々な経験を積めたからこそ「未知の環境に飛び込み、何か降ってきても、大体なんとかなるんじゃないか」と思えるようになったのはあります。なので、少し迷ったとしても、それぞれの職場でも思い切りがつくようになりました。
スタートアップも規模感によって多種多様。それぞれに面白さがある
若林: 実際にスタートアップに入って、感じる面白さや醍醐味はありますか?
大島: 入って驚いたのは、初期から担当する「テーマ」の重要性が高いということです。私は入ったばかりなのに、今、3ヶ年の中期経営計画を作っています。経営企画本部長として、弊社役員と週1~2回、2~3時間かけて、経営マターについて会話するという、非常にエキサイティングなことができています。
業務としての幅広さも特徴であり、面白さだと思います。経営企画として中計策定のような上流の仕事がある一方、法務担当が不在なので、そこをカバーしたり、IPOに向けた規則や規定の準備をしたり、社内システムの開発に関わったり、現場の様々な仕事にも関わっています。上流から下流まで、バリエーション豊かなテーマに関わることができることも楽しいポイントですね。
若林: 確かに、大きな会社だと経営企画は経営企画、現場は現場といったように役割が明確ですよね。スタートアップでは、組織として創り上げている段階ですから、色々なテーマに取り組む必要があると思います。
大島: その通りです。テーマは関係なくやれることをやる、そうした環境では、自分で小さな意思決定を沢山する必要があるので、これからのキャリアを見据える若い人にはすごくいい環境だと思います。
若林: ADiXiは300名規模で、スタートアップの中でもかなり大きいと思うのですが、この規模だからこその面白さはありますか?
大島: 会社が会社として大きくなっていく、徐々に大企業へ進化していく過程を見ることができるのが面白さかもしれません。300人にもなるとマネジメントの課題なども発生するようになり、このような課題はこの規模ならではのもので、個人的には面白いですね。
若林: 複数のスタートアップを経験して、会社の規模感によって求められる適性は変わると感じますか?
大島: はい、感じます。もちろんジョインする立場や職責によりますが、小さい会社では「自分でやりたい」というプレイヤー色の強い方が比較的合うと思います。また、事業や会社の課題もシンプルなので、ストレートに課題解決をしていくことが好きな人は向いていると思います。
一方、ある程度の規模感・フェーズになると、純粋なプレイヤーという側面だけでなく、マネージャー・管理職としての役割も求められます。組織成長に必要なマネジメントとその変化を楽しめる方は、合うと思いますね。

スタートアップで活躍し、キャリアを描くための3つの心得
若林:スタートアップで活躍していく上で、大島さんが考える大事な姿勢はありますか?
大島:色々ありますが、これまでのキャリアを通じて学んだことを踏まえて、3つお伝えしたいと思います。
1つ目は「自分が責任を持ち、意思決定する」姿勢です。現代はキャリアが多様化していて単純な “経歴”がそのまま次のキャリアに繋がるわけではなくなっています。どちらかというと、「自分で何かを決めたという経験」が大事であり、小さくても、意思決定を沢山する経験ができるような環境に身を置くことの方が、自分を鍛えることになると思っています。
2つ目は、「なんとかなる」と思うことです。もし、「これは面白がれそうだ」と自分が感じるのであれば、とりあえず飛び込んでみて、検証すればいいんです。合わなかったとしても、それは何かに絶対繋がるので、チャレンジは全く無駄じゃないと思います。面白がれそうだと思ったわけではないのですが、幸か不幸か1社目でクレーム対応をよく担当していまして、当時は大変だし何に生きるのかよくわからないと感じていたものの、その後のキャリアにおける交渉術や配慮に繋がっていると思えたことがありまして、その時仮に何にも繋がらないように思えても絶対に無駄にはならないものだなと体験できたのが大きかったです。
若林:大島さんが積まれたキャリアの幅広さも、その「経験が繋がる」という感覚に裏打ちされているのですね。
大島:はい、すべての環境を経験することはできないですが、「今は営業だけど、次は企画をやってみよう」「今はB to C業界だけれど、B to Bも面白いかな」と少しずつ変えるのでもいいのです。キャリアの広がりになり、必ず次に繋がると思います。
3つ目は、「役割にかかわらず、情報を整理し、意思決定をサポートする心がけを持つこと」です。ADiXiでの私は、経営企画本部長として、経営陣がより正しい方向性を考え、着地できるようにナビゲートすることが大きな役割だと思っています。 ちなみに、私はジェネラリストとして多様な情報を集め、バランスを取る役割が自分に向いていると感じています。情報整理力は、様々な経験を活かしてスタートアップを支える上で不可欠だと思いますね。
最後に:自身の内なる声を聴き、納得感と幸せを大事にしたキャリア形成を
若林: ここまで、スタートアップに挑戦したい方にとって多くのヒントをいただきました。最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
大島: 私は、徐々に事業会社、そして、スタートアップに関わるというキャリアを歩んできました。その中で感じるのは「事業について、最終的に自分がジャッジできる」ということが私には合っているということです。仕事において「自分で納得して働けている」ということが、キャリアとしての意味を感じさせるのだと思います。こうした「自分なりに、キャリアに納得している状態」を作ることが重要だと思います。
また、仕事へのスタンスやワークライフバランスといった考え方は人によって様々ですが、そこについても「自分に合ったバランス」を考えてほしいと思います。私自身、子育ても積極的にやっていきたいタイプなので、上手くバランスを取りながら仕事に励んでいます。最近はスタートアップだからといってワークライフバランス度外視というようなことはなくなっていると思います。成果を出すことを前提に、自分に合ったバランスで、ワーク・ライフのどちらにもコミットする方が、幸せの最大化に繋がると私は思っています。実際には、バランスを取るのが大変な場面もあると思いますが、どちらかを諦めるくらいならば、頑張って両立したい。これも納得して決めていることですね。

若林:「自分で納得して決める」姿勢は、キャリアにおいても、スタートアップで働く上でも大事ですね。
大島:はい、逆に「自分が納得している」ならば、どんどんスタートアップに飛び込んで良いと思います。自分が「いけそうな気がする」ならば、まずは挑戦してみて、自分の感覚が合っているかどうかを考えて、もし違うならまた変えてみればいい。「一定期間コミットする」ことを決めた上で、納得して頑張る仮説検証であれば、そこで得た経験は、その後にすべて繋がります。だからこそ、皆さんに是非、最初の一歩を踏み出してみてほしいです。
もし、その挑戦の場にADiXiが合いそうだ、という方がいらっしゃれば、是非お声掛けください!
若林:最後に、熱いメッセージと、胸に置きたい大事な教訓を頂いたように思います。大島さん、本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
大島:こちらこそ、ありがとうございました!
大島さんのキャリアは、若くして抱いた“成長しないとまずい”・“経験という貯金が必要だ”という考えに始まり、自ら築いてきたものでした。その中で「短い期間でも、キャリアの判断に自信を持てる」「すべての経験は後の人生・キャリアに繋がる」といった確信を得て、スタートアップに臆することなく挑戦し、活躍をされています。
また、様々な経験を積む中で培われた「なんとかなるさ」という感覚も、様々な課題に直面するスタートアップにおいては持てると良いものですが、その裏側で「緻密な情報整理を行い、会社の意思決定をサポートする」といった仕事における姿勢や、常に「自分で納得して意思決定をする」という覚悟のあるキャリア選択の考え方がありました。ご自身が持たれている自信が、挑戦できるための心理的安全性を作り出していると感じます。
スタートアップというキャリアは、自ら決断し、事業成長というダイナミックな瞬間に直接関われる非常に面白い場だと思います。本記事が、大企業や学生の皆様が抱くスタートアップへの疑問や不安を解消し、「面白がれそうだ」という仮説を信じて、自らの人生に納得できる新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
▼ADiXiに興味のある方は、是非こちらからアクセスしてみてください▼
ADiXi 採用ページ:https://adixi.co.jp/recruit/
採用チーム記事(note):https://note.com/adixi
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